【HSP×福祉職】HSPは福祉職に向いている?向いていない?現場経験から考える
こんにちは、HSP社会福祉士のたくやです。
「人の気持ちに敏感な自分は、福祉の仕事に向いているのだろうか?」
HSP(Highly Sensitive Person=繊細な人)という特性を知ったとき、真っ先にこの疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
福祉職は人の気持ちや生活に深く関わる仕事です。だからこそHSPにとっては「強みになる部分」と「しんどさにつながる部分」が共存しています。
この記事では、HSPと福祉職の相性について整理しつつ、実際の現場で感じたリアルも交えて考えていきます。
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HSPが福祉職に向いていると言える点
共感力が高い
HSPは相手の気持ちや表情の変化に敏感です。福祉職では、利用者や子どもの小さなサインに気づくことが大きな強みになります。
繊細なサインを読み取れる
「少し元気がない」「本当は困っているのに言い出せない」──そんな微妙な変化をキャッチできるのは、支援の質を高める要素になります。
丁寧な対応ができる
利用者一人ひとりに寄り添った丁寧な支援を自然と心がけられるため、信頼関係を築きやすいです。
HSPが福祉職で苦しくなりやすい点
感情移入しすぎて疲弊する
相手の気持ちを自分のことのように受け止めすぎてしまい、仕事が終わっても引きずってしまうことがあります。
職場の雰囲気にも影響を受けやすい
福祉の現場はチームワークが必須。職員同士の人間関係や空気感に敏感なHSPは、その影響を受けやすいです。
忙しさとのギャップに苦しむ
本当は一人ひとりを丁寧に支援したいのに、現実は時間や人手が不足している──そんな状況に葛藤しやすいです。
福祉職を続けるための工夫
セルフケアを大切にする
休息をしっかり取る、趣味や安心できる時間を持つなど、自分を守る習慣をつくることが欠かせません。
境界線を意識する
「支援はするけれど、その人の人生すべてを背負うわけではない」という境界線を意識することが、疲弊を防ぎます。
職場環境を見極める
人数体制やサポートの仕組みが整っているかどうかで働きやすさは大きく変わります。面接や実習の段階で確認することも大切です。
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福祉職として働いて感じたHSPならではのリアル
私は大学卒業後、児童自立支援施設や児童相談所で四年間働いていました。結論から言うと、HSPは福祉職に向いているなと感じました。ですが、先述の通りHSPは苦しくなりやすいので、適切なケアを続けることが前提になります。
HSPの強みを実感した瞬間
私は仕事で子どもと関わる機会が多いです。言いたいことを上手く言語化できない子や、なぜか不穏になっているような子の対応もたくさんしてきました。そんなときでも、その子の表情や些細な言動から、相手の気持ちやしてほしいことを理解することができたのです。
ある子どもの様子が普段と違うと感じ取った時は、その子どもは職員の知らないところで問題を起こしていました。早く気付けたことで、すぐに対処ができ事なきを得ました。相手の気持ちやニーズを理解することに長けているのは、福祉職にとっては大きな強みですよね。高齢者や障害者等の他分野でも必ず役立つと思います。
HSPの方ならご理解いただけると思うのですが、こういったことは無意識のうちに行っています。子どもの対応についてどうしているのかと同僚に聞かれることもありましたが、何か意識しているわけではなかったので、説明が難しかったです。メリットしかないように聞こえるかもしれませんが、無意識のうちに周りの言動を気にしてしまうので、かなり疲れますし、自分のコンディションが周りの感情に左右されてしまうので、やはり意識して自分を守らなければいけません。
HSPだからこそしんどかった場面
これはやはり、自分が怒られたり、誰かが怒鳴られているのを見聞きするときです。共感力の高いHSPにとって、怒りの感情を向けられることは大きな負担になります。対象が自分でなくても、自分が言われているかのように受け取ってしまい、気分が落ち込んでしまうのです。そうなってしまえば、しばらくその出来事が頭から離れません。帰宅してからも忘れられず、一人で反省会することも日常茶飯事でした。
こうなってしまった時に適切なケアが行えるかどうかが、HSPが福祉職を続けるうえで重要になってきます。私の場合はもう対処法をあらかじめ設定していました。事実と解釈を切り分け、改善策をまとめることで次回以降の対応を確認し、自分を安心させていました。サウナや散歩、読書など意識してリフレッシュを取り入れることも欠かしませんでした。
自分なりの対処法を身に着けてしまえば、あとはHSPの強みを発揮して仕事をするだけです。完璧は求めず、自分を守ることを最優先にしていれば、無理なく仕事が続けられると思います。
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まとめ:HSPは福祉職に「向いている部分」と「向いていない部分」を併せ持つ
HSPは人の気持ちに寄り添いやすく、福祉職において大きな強みを発揮できます。
確かに感情移入しすぎたり、職場の雰囲気に疲れてしまうこともありますが、それは工夫次第で軽減できることです。
大切なのは、「HSPだから福祉職は無理」と思うのではなく、HSPの特性を強みとしてどう活かすかを考えること。
福祉の現場でHSPの力が活きるとき、支援を受ける人にとっては大きな安心や希望につながります。
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この記事が、福祉職を目指すHSPの方にとっての参考や安心材料になれば幸いです。
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