【HSP×福祉職】児童自立支援施設で見た、音楽が子どもを支えていた瞬間
こんにちは、HSP社会福祉士のたくやです。
私は以前、児童自立支援施設で働いていました。
児童自立支援施設では、生活指導だけでなく、
子どもたちの心を支えるさまざまな取り組みが行われています。
児童自立支援施設と聞くと、
厳しい指導、問題行動、荒れた現場――
そんなイメージを持つ人も多いかもしれません。
実際、子どもたちはそれぞれに重たい背景を抱え、
生活が安定しない日々を過ごしていました。
感情をうまく言葉にできず、衝突を繰り返す子も少なくありません。
そんな施設で、私が強く印象に残っている光景があります。
それは、
楽器を手に、夢中で音を鳴らす子どもたちの姿でした。
職員が楽器を教え、
子どもたちがバンドを組み、
人前で演奏する場まで用意されていたのです。
問題行動が目立っていた子が、
音楽の時間になると別人のように集中し、
目を輝かせていた姿を、私は今でも忘れられません。
この記事では、
児童自立支援施設で私が実際に見た
「音楽が子どもを支えていた瞬間」と、
支援する側として感じたことを、正直な言葉で書いていきます。
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児童自立支援施設で行われていた「音楽の時間」
私が働いていた施設では、余暇の時間にギターやベースなどの楽器を練習することができます。楽器のできる職員が子どもたちに弾き方を教えるのです。
子どもたちがバンドを組み、施設や学校の行事で発表する機会も設けられています。楽器は強制ではありませんが、職員としては行事に参加してもらうためにも挑戦して欲しいのです。
子どもによってはこれをきっかけに楽器にハマり、退所後も楽器を続ける子もいます。私は楽器が全くできず、子どもと一緒に挑戦しましたが上手くいきませんでした。一方で子どもたちの上達はとても早いです。
問題があって入所してきた子たちですが、こんなにも力があるじゃないかととても感心したことを覚えています。楽器の設備や職員の能力に依存してしまいますが、是非とも楽器の活動は取り入れるべきだと思います。
生活が不安定な子ほど、音楽に救われていた
児童自立支援施設には、ルールが守れず問題行動を起こす子どもがたくさんいます。トラブルが絶えず毎日大変なのですが、音楽がモチベーションになり行動が改善する子もいました。
普段の生活がしっかりできてこそ、余暇の時間に楽器を練習することができます。生活が荒れていては、当然楽器も自由にできなくなってしまいます。
もっと練習して上手くなりたい、新しい楽譜が欲しい、みんなの前でカッコよく発表したい。そういったことが子どもたちのモチベーションになっていましたね。
もちろん楽器が弾きたくても上手にできない子もいます。そういった子たちはバンドのボーカルを担当したり、ダンスを披露したりすることで、みんなと一緒に行事に参加してもらいました。
もちろん音楽に興味がない子もいますが、私が働いていた頃はほとんどの子が興味をもっていた印象です。音楽の力でガラッと生活態度が変わった子もいましたよ。
HSPの私は、子どもたちのバンド発表を見る度にとても感動していました。子どもたちの持つ背景や今までの努力を考えると、色んな感情で胸が一杯になるのです。音楽の力は偉大ですね。
なぜ音楽が支えになったのか
施設に来る子どもたちは、何かに熱中して取り組んだり、練習の成果を発表したり、誰かに褒めてもらったりする機会が少なかったのではないかと思います。
そんな子どもたちにとって、楽器が上達していく楽しさや誰かに褒めてもらう嬉しさは、何にも代えられないものだったことでしょう。
一度こういった成功体験を積めば、もっと上手くなりたい、もっと褒めてもらいたいとモチベーションに繋がります。
必ずしも音楽である必要はありません。何か熱中できるものが見つかれば、それがその子にとって大きな支えになるのだと思います。スポーツがモチベーションになっている子もいましたから。
音楽は、言葉を使わなくても「頑張った結果」が目に見え、音として返ってくる活動だったのだと思います。
支援する側として、私が教えられたこと
児童自立支援施設は、自立の基盤を整えることを目的としています。基本的な生活ができるように支援していくのですが、さらにもう一歩先の支援があると良いなと感じました。
施設にいる間に、この先の人生で何か熱中できることを見つけられると良いなと思ったのです。音楽が趣味になり、退所後も音楽を続けている子もいます。スポーツを頑張っている子もいます。
何か熱中できるものが見つかると、それはその子にとってとんでもなく大きな財産になることを知ったのです。
子どもたちにとって、施設での生活は言ってしまえば練習で、本番は退所後の生活です。音楽のような、その子どもにとって大きな柱になるものを何か見つけられると、物事が良い方向に向いていくのではないかと思います。
施設での生活を上手くやるだけでなく、その先のことを考えた支援も重要ですね。
まとめ
音楽があれば、
すべての問題が解決するわけではありません。
子どもたちの抱える背景や生きづらさは、
そう簡単に消えるものではないと、福祉の現場で何度も感じました。
それでも、
音楽は確かに子どもたちの心を支えていました。
言葉が出なくても、
気持ちをうまく説明できなくても、
音を鳴らすことで、自分を表現できる時間があった。
誰かに評価されるためではなく、
「やりたい」「楽しい」という気持ちを原動力に、
前を向ける瞬間があったのです。
福祉の仕事は、
人を変えることではありません。
立ち直らせることでもありません。
その人が踏ん張るための小さな支えを、そっと守ること
それが支援なのだと、私はこの現場で教えられました。
もし、
「福祉は大変なだけ」
「支援は報われない」
そう感じている人がいたら、伝えたいです。
目立たないけれど、
確かに心を支えている瞬間が、現場にはあります。
音楽に救われた子どもたちの姿は、
今も私の中で、福祉の原点として残っています。
🌱 繊細さを抱えるあなたへ
少しでも参考になったと感じてもらえたら嬉しいです。
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