【HSP社会福祉士】感受性が強い人ほど、福祉現場で消耗しやすい理由
こんにちは、HSP社会福祉士のたくやです。
福祉の仕事は「優しい人に向いている」とよく言われます。
人の気持ちが分かる人、相手の立場で考えられる人。
HSP気質の人は、まさにその特徴を持っています。
だからこそ、福祉の世界に惹かれた人も多いのではないでしょうか。
ですが実際に現場に入ると、こんな感覚を抱くことがあります。
「やりがいはあるのに、なぜかすごく疲れる」
「自分に向いているはずなのに、心がもたない」
「頑張りたいのに、続けられる気がしない」
私自身、福祉現場で働いていた頃、同じことを何度も感じてきました。
子どもや保護者の気持ちに寄り添いたい。役に立ちたい。ちゃんと向き合いたい。
その思いは本物なのに、心と体の消耗だけがどんどん溜まっていく。
それは決して「向いていないから」ではありませんでした。
むしろその逆で、
感受性が強いからこそ起きる消耗だったのです。
今回は、HSP気質の人ほど福祉現場で疲れやすい理由について、現場経験を通して感じたことを整理してみようと思います。
👉「関連記事:HSPは福祉職に向いている?向いていない?現場経験から考える」

「向いているはずなのに、なぜかしんどい」
HSPと福祉職は相性が良いと言われる一方で、実際の現場では強い消耗を感じやすいという現実もあります。
相手の気持ちに寄り添えるHSPは、実際福祉職に向いていると思います。
ですが、「向いている=楽」では決してありません。
むしろ、HSPはその特性が故に、福祉の現場で消耗しやすいと言えます。
福祉職として働くうえで、HSPは強みになる一方、ひどく消耗してしまう要因にもなり得るのです。
HSPが福祉現場で消耗しやすい理由
感情を“理解する”ではなく“受け取ってしまう”
HSPは相手の感情を理解するだけではなく、その感情を受け取り、まるで自分のことのように感じてしまいます。
福祉職の場合、利用者の不安・怒り・悲しみなどの感情が自分の中に入ってきます。
利用者を支援するうえで、人の心に深く寄り添えることは長所でもあり、相手の感情に飲まれて共感疲労を起こす要因でもあるのです。
私は福祉の現場で子どもや保護者と関わることがよくありました。
相手の怒りの感情に飲み込まれてしまい、心身ともに疲弊しきってしまうことも多かったです。
常に「周囲の状態」を読み続けている
HSPは常に周囲の状態を気にかけてしまうため、たとえ何もしていなくても消耗してしまいます。
その場の空気、職員の関係性、利用者の機嫌など、あらゆることに敏感です。
無意識のうちに場の空気を読むので、先回りした支援が行えることもよくあります。
私は子どもや保護者のニーズをいち早く察知し、相手が不穏になる前に支援を行えたという経験が何度もありました。
とはいえ、常に気を張っているため、どうしても疲れやすくなってしまうのです。
「ちゃんと関わりたい」が止まらない
HSPは完璧主義の人が多く、利用者への支援には全く手が抜けません。
HSPは他人の感情に敏感なため、他人に迷惑をかけることを嫌います。
ミスをしないように慎重になったり、全てを網羅しようとしたりした結果、完璧主義となってしまうことが多いようです。
福祉の現場では、相手の気持ちに共感するがあまり、どんどん相手との境界線が引きにくくなってしまいます。
相手との距離が近づきすぎたあまり、本来の業務以上のものを背負ってしまうこともあります。
相手への深い共感、完璧主義、業務の増加など様々な要因が重なり、HSPは激しく消耗してしまうのです。
特に相手との境界線には注意が必要です。
心身の疲弊にとどまらず、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう場合もあります。
利用者と職員の間には、適切な距離感が必要です。
消耗は「向いていない証拠」ではない
HSPが福祉の現場で消耗しやすいのは事実ですが、決して福祉の仕事が向いていないということではありません。
消耗しているということは、真剣に仕事に向き合っている証拠だとも言えるでしょう。
消耗しやすいのはHSPの気質の問題であって、福祉の仕事が向いていないということにはならないのです。
むしろ、HSPには福祉職に向いている部分がたくさんあります。
共感力の高さ、繊細なサインを読み取る敏感さ、利用者への丁寧な対応など、HSP特有の強みをたくさん持っています。
疲れやすい自分を責める必要はありません。
疲れやすいのはHSPの気質の問題であること、HSPは福祉職に向いている強みをたくさん持っていることを覚えておいてください。
HSPが福祉職を続けるために必要な視点
自分を守るためのセルフケア
HSPは消耗しやすい一方、福祉職に向いてる点もたくさんあります。
そんなHSPが福祉職を続けるためには、意識してセルフケアを行うことが重要です。
私の場合、回復の時間をあらかじめ予定に入れています。
スマホの使用は避け、サウナや散歩、読書などをして落ち着いて過ごすことが多いです。
刺激を減らすためにも、なるべくデジタルデトックスできるような習慣を取り入れることをおすすめします。
疲労が溜まって体調を崩す前に、意識して体を休めましょう。
👉「関連記事:疲れやすい人が、自分を守るためのセルフケア」

境界線を意識する
福祉の仕事を続けていくうえで、相手との境界線を意識することは非常に重要です。
先述の通り、HSPは親身になるがあまり、どんどん相手との距離が近づいてしまいがちです。
あくまで利用者と職員の関係であることを忘れないでください。
本来の業務以上のものを抱えてしまい、トラブルが起きてからでは手遅れです。
相手のために何かしてあげたい、力になりたいと思う気持ちは素晴らしいものですが、一定の距離感を保つことを忘れないでくださいね。
まとめ
福祉の仕事は、HSPの気質ととても相性がいい分野だと思います。
相手の小さな変化に気づけること。
言葉にならない感情を察する力。
「大丈夫」と言われた裏側を感じ取れること。
それらは、現場で本当に大切な力です。
けれど同時に、それは大きなエネルギーを使う働き方でもありました。
利用者の感情を受け取り、場の空気を読み、常に誰かのことを考え続ける。
その積み重ねは、自分が思っている以上に心身を消耗させていきます。
だから「向いているのに続かない」という現象が起きるのは、不思議なことではありません。
それは弱さではなく、
優しさをフル稼働させてきた結果なのだと思います。
大切なのは、優しさをなくすことではなく、使い切らないこと。
しっかり休むこと。
自分の回復を後回しにしないこと。
相手との境界線を引くこと。
それができる人ほど、福祉の仕事を長く続けられるのかもしれません。
もし今、「向いているはずなのにしんどい」と感じているなら、それはあなたの感受性がちゃんと働いている証拠です。
どうか、自分を責めすぎないでください。
まずは、優しさを向けてきた自分自身にも、同じ優しさを向けてあげてくださいね。
🌱 繊細さを抱えるあなたへ
少しでも参考になったと感じてもらえたら嬉しいです。
👉「関連記事:共感しすぎて苦しいときの対処法」

